さて、前回の高音域の獲得で真似された方も多いかもしれません。
できましたか?90分続きましたか?
できないでしょう。いまから始めなくても良いですよ。どうせできませんから。
なんだぁ。それを早く言ってくれよ。と言わないでくださいね。だって、あれだけまねするなといったでしょ。
いずれにしろ、90分(少なくとも1枚のALBUM分)前後は持たない。それはなぜか。
それが今回の主題の倍音が鍵になるからです。
はっきり言ってもちません。例え訓練によってアルトの人がソプラノの地声音域を獲得したからといってそれだけでは90分は持ちません。
ではなぜ、SU-METALさんは持続可能なのですか?
それは倍音を使っているからなのです。
倍音を使うメリットとしては以下あげられます。
METAL音のバッキング音にもかき消されない。
透明感がある。
遠くの観客まで声がクリアに届く。
自分自身の声がモニター音で聴き取りやすくなる。(BABYMETALはイヤーモニターであります)
それに加え歌い手にとっても長時間発声が持続できるのです。
つまり発声による筋力の消耗を避けることができるのです。
倍音発声はどうするのか。
その前に倍音とは? 端的に言ってオクターブ音のことです。
簡単に説明しますとドレミのドの音を出すとします。
倍音が出せる人は1オクターブ高いドや低いドが同時に出せると思ってください。
ピアノがあるかたはやってみてください。ドの鍵盤をひとつたたくのと1オクターブのドを加えて鳴らすのとでは響きが違うでしょう。それが原理です。
日常生活ではどうでしょう。
例えば大勢がいるレストランや居酒屋で遠くの一人の人の声が際立って聞こえることがあると思います。
その時のその人の声は倍音成分が多いと言うことになります。
ではどうやって人の声で倍音を出すのでしょう。
声をある所にぶつけます。ある所とは専門的には鼻腔音とか軟口蓋とかいったりします。
難しいので簡単に言いますと口内の上あごの方をイメージしてください。前歯があってそれをずっと奥まで行くとのどちんこの手前にやわらかい部分があります。
そこに声をぶつけるイメージで声を出すと良いでしょう。そうすると鼻の中や頭蓋骨に共鳴、反響して倍音が出るとされております。良く頭の先から声を出せと音楽の先生にいわれたこともあるかもしれませんが頭の先から声はでません。
あくまでも声を自分の頭部の中で反響、共鳴させて倍音効果を出すということです。専門的には頭声とも言います。(ちなみに反対つまり低音は胸声と言って胸で倍音を出すとされております。ここでは置いておきます)
倍音発声が出ない人もいます。出来ない人は残念ですがあきらめてください。
聴き分けられるようにはなれるとは思います。
生歌のプロの歌手は殆どができます。いや、これができないと殆ど生歌のプロにはなれません。
それくらい大事なことです。私はプロではないですが・・・。聴き比べてください。
私の感想ではSU-METALさんは1stもかなり出ていますが2ndの方がはるかに倍音がきれいに出ています。
倍音発声が的確に出来るようになると少ない労力で遠くまで聞かせることができます。
だからBABYMETALのLIVEでも長時間のかつ透明感のある歌唱が可能になるのです。
もしできなかったとしたならば、長時間の歌唱は不可能になるだけではなくLIVE後半では観客にとってはBABYMETALは何を歌っているかわからなくなると思います。
当然、こういった時間配分も計算に入れてBABYMETALはLIVEを行っていると考えることができます。
倍音発声によって疲労が軽減され歌唱に余裕が出た分、ダンスのパフォーマンスも向上すると思います。
SU-METALさんの疲労ペースも念頭に入れた時間配分について考えながらLIVEビデオを見るのも面白いかもしれません。
更に原理は私も良くわかりませんが、倍音発声するとなぜか高音域が更に獲得できるケースが多いと聞きます。良いことづくめですね。
さて、高音域と倍音発声の獲得についてわかりましたか?
これがMETAL音楽に対するSU-METALさんの出した回答だと私は考えております。
かつ、SU-METALさんは以前言及した通り、ある時は倍音を多く使いある時は倍音を抑える歌唱技術を獲得しています。それが歌唱力及び表現力の向上に結びついているのだと思います。
そう言った彼女の表現力が各人各地からのMETAL-QUEENの評価に繋がっていると思います。
細かいことはまだ沢山あるのですが、私なりに考えたMATAL-QUEEN誕生の秘話(仮説)になります。
BABYMETALの音楽だけではなく、その他の音楽鑑賞や自分の歌唱に役立てていただければ幸いです。
では
See you!
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