今までは歌唱法の謎を追う形でSU-METALさんの歌唱法を枚挙してみました。
とすると色々なことが見えてきませんか。
ではなぜ、METAL-QUEENが誕生したのかという視点から考えたいと思います。
非常に面白いことが見えてきます。
以前、私はMETALエリート・ファンを自称するならばBABYMETALに取り込まれる。
さもなくばMETALエリート・ファンをやめなければならない。
と申し上げました。
その反対の現象がBABYMETAL側にも発生していたと思われれます。
もちろん仮説です。
本当かどうかは本人たちに聞かないとわかりませんが仮説を以下申し上げたいと思います。
結論から申し上げますと、
BABYMETALそのものとBABYMETALフアンがMETAL-QUEENを生み出した。
それだけではなく、
BABYMETALそのものとBABYMETALファンがMETAL-QUEENを生みださざるを得なかった。
と考えております。だからBABMETALとそのファンは家族とも言えると思います。
アイドルでいれば良いのか?その上を、アーチストを目指すのか?という選択も含まれます。
BABYMETALがもしアイドルの範疇で良かったのならば、METAL-QUEENは生まれていないでしょう。
なぜなら、歌が上手くないアイドルはたくさんいます。
残念ですが、アイドルのライブははっきり言って口(クチ)パクが多いです。
確かBABYMETAL初期の頃のライブは口パク説が有力であると聞きます。
バンド名にMETALとつけてしまった以上METALファンを取り込まなくて良いのかと言う課題が突きつけられます。当然取り込みたいと思うでしょう。プロなんですから。ファンは多い方が良いのです。
しかし、そう簡単に問屋はおろしません。
METALファンを取り込もうとしてもMETALファン側としては口パクは許さないのです。
METALファンの特徴としては音楽的に非常にこだわりのある人が多いです。
非常に演奏方法や演奏技術、表現方法にまで注文が多いです。
だから、生演奏でできないと言うことはCD音源等は打ち込み(つまりパソコンで作った)ものとして偽物と見なされます。
それゆえ、アイドルファン以外のMETALファンを取り込もうとするならば生演奏、生歌が必須になります。
当然、生演奏、生歌するかしないかの選択を強いられました。
安住の地を望むのか望まないのか?
未知の世界を彼女たちも求めましたし、ファンも求めました。
そこでBABYMETAL側も選択を迫られます。
・BABYMETALをやめるか
・生演奏・生歌をするか(当て振りなし、口パクなし)
・BABYMETALをやめる
簡単です。やめたと言えば良い。名前にMETALがついていますが単なるおふざけでした。と言えば良いのです。
・生演奏・生歌をする。
これは非常にハードルが高いです。
生演奏についてはそうですね。実力の高いスタジオ演奏家を呼べば良い。
費用の問題です。
儲からなければレベルの高いスタジオ演奏家を呼べなくなることはありますが、一時的には可能でしょう。
では生歌にすれば良いでは無いか。しかし、これが非常に難しいのです。
もともと歌の上手いSU-METALさんですが、METALの生歌になるとどういう制約を乗り越えなくては行けなくなるのでしょう。
METAL音楽の生演奏・生歌の特色としては非常に厳しい制約があります。
ボーカルに非常に負担がかかるのです。
幅広い音域、爆音に負けないボーカル。
これが基本として必要です。
変拍子やリズムの対応がありますが、これはSUさんの実力ならできると思いますので置いておきます。
この前も触れましたが、彼女はアルトです。
イジメ、ダメ!ゼッタイ!の曲の出だし部分のKeyが彼女の声の標準だと思われます。
いずれにしろMETAL音楽の生演奏・生歌をするのならばもっと高音域を獲得しなければなりません。
裏声(ファルセット)を使うと言う対応方法がありますが、次の制約に引っかかります。
METAL音楽は他の音楽と比べて特にバッキング音が厚いので、
生演奏では生歌が負けてしまいます。
普通の地声でもかき消されてしまいます。
裏声では当然、何を歌っているのかさえわからなくなります。
この制約を解決するためには彼女はソプラノ音域を地声で獲得しかつバッキング音に負けない発声、つまり地声による倍音発声を身につけなくては行けないという状況に追い込まれたと思います。
非常に辛く厳しいトレーニングをしたと思われます。
でも、彼女はそれを乗り越えた。できるようになった。
(普通の人はまず無理なので真似しないでください。
下手にトレーニングするとひどい場合全く声が出なくなることがあります)
高音域の獲得と倍音発声の獲得をしたことが、BABYMETALを変えたのです。
これができたからこそBABYMETALを続けられたのです。
逆に言うとこれができなかったのならば今のBABYMETALはなかったと言っても過言ではありません。
SU-METALさんの高音域と倍音発声の獲得。
これが後にいうMETAL-QUEENの誕生です。
では、次回以降は細かく見ていきましょう。
See you!
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